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コラム

就学前に任意接種で三種混合ワクチンとポリオワクチンを打ちましょう

2019.09.17

就学前の三種混合ワクチンとポリオワクチン接種が推奨されています。

日本小児科学会の推奨する予防接種スケジュールに2018年8月、学童期以降の百日咳とポリオに対する免疫を維持するために、就学前の3 種混合・不活 化ポリオワクチンの追加接種についての推奨(任意接種)が加わりました。任意接種なので役所からのお手紙は来ないため、多くの方がこの変更をご存知ありません。今年の新入学シーズンで接種された数もあまり多くはなかったと思われます。

しかしなぜ、就学前にワクチンを追加しなければならないのでしょうか。それは2歳までに終える四種混合ワクチンによってついた百日咳の免疫が弱まるため、小学校の児童の間で百日咳の流行が度々見られることが問題視されていたからです。

百日咳の恐ろしいところは、生後三ヶ月未満の乳児に感染すると突然死の原因となる場合があることです。上のお子さんが小学校のうちに新しい命が授かるご家庭も多いと思いますが、小学校で感染した上のお子さんの持ち込んだ百日ぜきで小さな妹さん弟さんが命を奪われるという悲劇が起きる恐れも十分あります。またそうでなくても、長引く咳は睡眠を妨げて生活リズムを壊し、授業への集中力も落ち、学習の妨げとなることでしょう。そして子供の間に流行するということは、社会全体で見た場合、多くの赤ちゃんが百日咳菌に晒されるリスクを増やし、百日咳による突然死の悲劇を増やす可能性があります。

学童期をむかえ、小学校で集団生活を始める前に、三種混合ワクチンの接種をお勧めします。

ではポリオはどうでしょうか?ポリオは90から95%が不顕性感染、4から8%がカゼのような症状で済んでしまうので一見良性の病気に見えるのですが、0.5から1%が髄膜炎症状を呈し、0.1%の患者さんで弛緩性麻痺AFPを起こします。そのうち半数は永続的な麻痺によって身体障害者となるほか、一部は急性呼吸不全を起こして死の転帰をとるという恐ろしい病気です。症状が現れにくいため一度蔓延すると感染をコントロールすることが非常に困難となります。日本はポリオワクチンをうつことで国内でのポリオの根絶に成功しましたが、ラグビーワールドカップや東京オリンピックなど海外から多くの人々が訪れるイベントが行われる年には海外から持ち込まれる輸入感染症としてのポリオが問題視されています。

ポリオの免疫は乳幼児期のワクチン摂取だけでは成人まで免疫を保つことができず小学校入学前にかなりの程度低下することがわかっています。そのため諸外国では広く就学前後のワクチン接種が行われています。日本へのポリオ上陸を阻むためにも、就学前の段階でのポリオワクチンの接種を強くお勧めします。

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール

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